【体験談】2100時間を居場所づくりに費やして限界だった話 後編

活動

2,100時間。

これは、私がコミュニティカフェの運営に関わっていたとき費やした時間です。

地域での居場所づくりをしたい!そう思って、善意だけでやっていた結果、自分が苦しくなって辞めました。最後には心も身体も疲弊して、やりたいことのために頑張ってきたのに、気がついたら何のために頑張っていたんだろう。そう思わざるを得なくなり、最終的に強制終了しました。


これは、そんな同じ失敗をしてほしくないとの想いから自分の体験談をお伝えできればと思い綴っています。一意見として参考にしていただければと思います。


前編はまずこちらから↓


後編では、いよいよどうして限界になったのか、私の何がダメだったのかを綴ります。

カフェ営業のスタート!


コミュニティカフェの運営にたずさわり始めて、2ヶ月。
認知を広めることと自分のお給料分を稼ぐこと、一石二鳥でできたらいいじゃん!


そう思って夜のカフェ営業を始めました。


コンセプトは疲れた〜って仕事帰りや今日はご飯作るのめんどくさいな。。。っていうお母さんたちにふらっと立ち寄ってほしい。


思わず「ただいま〜」って言いたくなっちゃうような、そんな雰囲気で日々のちょっとした癒しになる居場所をつくりたい。そんなコンセプトで初めました。


メニューは普段ご自身で飲食の経営をされている方にご協力いただき、サポートしながら進めていました。
本当にありがたいですね。やりたい!と言ったことに応援してくれる方がいるということは幸せなことです。


ターゲットはどんな人たちか、どのくらいの単価にしたらどのくらい利益が出るか、そうした経営的な面でもサポートとご指導をいただきながら進めていました。

スタート時期

スタート時期は、新しいものが始まってもの珍しさにお客さんが入ってくれます。


友達も、こうした活動をしていることをSNSで見て、新しいこと始めたんだね!と興味を持ってくれます。


だから、最初1ヶ月くらいは順調に人も入るし、順調に売り上げも上がりました。


ただ、これは友達や地域づくりに関心のある層だけに届けたい自己満活動ではありません。コミュニティカフェの認知を広めなければいけないし、ちゃんと地域の人たちに届いて欲しい。そして何よりも重要なのが、売上をちゃんとあげて自分もカフェ自体も継続できるようにならなければいけません。



自分が働いた分のお給料をもらえるようにするのはもちろんのこと、カフェを始めるにあたってメニュー提供をしてサポートしてくれている方に食材費を払わなければいけないし、場所代や光熱費も支払わなければいけません。



1ヶ月目、物珍しさに入ってくれていたお客さんも、最初が過ぎれば減ってきます。
では、どう人を集めていくか?施策を考えなければいけません。



「はい、開きましたよ〜!」


これだけでは人はこないし、ちゃんと心にあうようにPRしなければいけない。
いきたい!と思ってもらえる価値をつくらなければならないのです。

試行錯誤を繰り返す日々


どんな人にニーズがあるのか、仮説を出して、イベントをやってみたり、コラボでバーを開いてみたりとにかく色んなことをやっていました。


ただ、イベントがあると一気に人も来てくれるし収益は上がるけど、ひとりでやるにはすごく大変で、帰りが終電は当たり前。体力がきつかったです。


当時は大学にも通いながら、カフェ営業で賄えない分は朝にバイトをしていたのでだんだんと疲弊をしていきました。



4時半におきてバイトに行き、
12時から学校
学校が終わるとすぐにカフェの準備をして
18時からカフェ営業
24時に帰宅。




そんなような生活を半年やりました。


「地域の人の居場所を作りたい!もっとこの場所を知って欲しい!」


その想いだけで走り始めたカフェ営業も、次第に雲行きが怪しくなってきました。



ひとりでお客さんを待ちながら、店頭に立っている時間ほど寂しいものはなかったです。
自分の無力さも感じたし、あ〜何やっているんだろうって。




ガラス越しに通り過ぎていく人たちを、ひとりで見ている。
声かけをしてみたりとかしても入ってくれる人なんてひと握りだし。



そして半年後、限界。






自分がやりたい!と言って始めたことなのに、自分が続けるのがしんどくなって活動をやめました。
オーナーさんやサポートしてくれていた方に申し訳ない思いでやめました。


何がだめだったのか


結局、私の何がダメだったんでしょうか?

時間は費やした。2100時間も。


体力も想いも費やした。


でも結局、自分に限界がきた。


答えはシンプルで、
コミュニティカフェでちゃんと収益をあげる力がなかったから。


自分がバイトをしなくてもいいくらいにカフェで稼げていたら、心地よく働けたし、もっといいことができていたはずです。



残念ながら、想いがいい活動でも、それがつづけかなければ意味がないです。
居場所づくりとか言ってるのにその場を作る側が疲弊してるって、意味ないでしょ。


結局常連さんで通ってくれていた人にも、せっかく作った居場所をなくすという結末で終わらせてしまった。


最初は利益が上がらなくても、どう宣伝するか、どこにターゲットを決めて効果的に人が集まるようにするか。
そうした経営的な知識が自分にあれば、やりたい活動をちゃんと続けられていた。



自分にそうした知識がなかったがために、活動が続かなかったのです。


まとめ


結局、社会的な活動こそ、継続させることが大事です。
それには想いだけではだめです。そんな綺麗事で済む話じゃないです。


そこの場所を運営できるように、きちんと売り上げを上げることのできる力が必要なのです。


大事なのでもう一度言います。


想いだけではできません!ちゃんと経済のことを学んでください!!!


お金儲けのためではなく、活動を継続させていくためには売上を上げなければいけないんです。


その力が、私にはなかった。
ずっと無償でボランティアでやっていることの無意味さをすごく感じました。


今回は私の失敗で終わりましたが、小規模のNPOや地域支援団体でも同じことはたくさんおきています。



自己満足で終わらない活動のために、ちゃんと知識と能力をつけましょう。




以上、2100時間居場所づくりに費やして限界を感じた話でした。


おしまい。


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中村ひなた(22)

◆大槌プロジェクト代表
【人を結び、縁をつくる】
岩手県大槌町と都会の学生を結ぶ地域活性プロジェクト
岩手で出会った人のあたたかさを届けたいという想いから設立。ツアーなどを行う。

◆学生団体 お茶の間 設立者
【優しさの巡る社会をつくる】
自身が大学入学時に心から活動できるサークルがなく、仲間が欲しいと思っていたことから、社会を良くしたいと心から願う学生の活動場をつくる。後輩のサポートを行う。

◆まちのみば 運営
【”まち”繋がる。”すき”広がる。】
毎月1回、地域好きの若者が集まり、地域のことに関して語り合うコミュニティ。
ゆるく集まりながら日本のよさを語ります。

◆活動に対するご相談や一緒に何かやりたい!のお問い合わせなどはこちらからうけつけています↓






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